NAND-BFO回路

01版2013.11.18
TOP  実験  アクセサリー 

 


 NANDゲートを使用した455kHzセラ発振回路によるBFO回路です。 
 「NAND発振回路」ではNANDゲートを使用したセラミック発振回路から正弦波を取り出す回路を紹介しました。ここではその回路を基に、バリキャップを使用した周波数可変について実験しています。周波数可変幅455±1.5kHz以上を目指しましたが、約±1kHzとなりました。


背景

 9R-42Jの様に、BFOつまみをゆっくり廻しながらSSBを復調する、あの昔懐かしい指の感触と復調音を味わいたくなり、真空管受信機QR-71Jへ実装する455kHz周波数可変のBFO回路を作ることにしました。又、プロダクト検波回路も搭載していますので、ローカル用として共用することにします。

経緯

 以前、web上のFETを使用したサイン波出力の455kHzセラミック発振回路を参考にして周波数可変の実験をしました。しかし、コイルやコンデンサの値を調整しても可変幅±1.5kHzがなかなかとれず、大変苦労した経験があります。その時は可変幅はとれたものの、周波数可変によるhigh側、low側の出力レベル差が大きく、改善の余地が残りました。

目標

 前述のような経緯があり、今回は以下を目標としました。

  1)単純で再現性の高い回路の実現を目指す。・・・ICによるセラミック発振回路の採用、LC同調無し、etc
  2)インダクタを採用しない。・・・サイン波への成形(同調、フィルタ)、周波数可変、etc
  3)周波数可変幅は±1.5kHz以上とする。
  4)出力レベル偏差は周波数可変範囲において3dB以内とする。
  5)発振の停止/起動制御ができること。


実験回路


BFO実験回路

 VC1は上端周波数と可変幅を調整するためのトリマコンです。

 R5とC1は、VR1可変時のノイズ除去用です。VR1を周波数が高くなる方向へ廻す程、発振回路が制御電圧の変化に敏感に反応するためノイズ対策として設けました。

特性

 1)出力波形


 
 (V:50mV/div、H:500ns/div)

454.138 kHz


 (V:50mV/div、H:500ns/div)

455.0kHz

 
 (V:50mV/div、H:500ns/div)

455.877kHz

 2)発振周波数および出力レベル偏差

 図中の「制御電圧」は実験回路図中の「A」点の電圧を示します。


発振周波数およびレベル変動

 周波数可変範囲と出力レベル偏差は以下となりました。

      周波数変動 ・・・・・・・・・ ±1kHz弱 (目標値 : ±1.5kHz以上)
      出力レベル偏差 ・・・・・・ 約1dB (目標値 : 3dB以内)


 3)高調波レベル

 基本波fに対する高調波2f,3f及び4fの相対レベルを下図に示します。


高調波レベル


適用例

QR-71Jへ適用した回路を下図に示します。


適用例

 できるかぎり大きな振幅を取り出すために、ゲートへの分圧比を実験回路の定数から変えています。

 この回路は二つの出力があります。一方はAM検波回路へのBFO注入のための出力であり、他方はプロダクト検波への出力です。
 AM検波回路へ出力するために簡単なCR2次フィルタを通していますが、455kHzに対して2倍波約2dB、3倍波約5dBと余り効果はありません。これらの高調波が問題となる場合には高次のLCフィルタかLC同調回路が必要となります。


  周波数可変範囲は目標未達となりましたが、再現性の高いシンプルな回路が出来ました。この回路はQR-71JのBFOとプロダクト検波のローカルに適用しています。