TS-520 VFOを改造した
7MHz再生式受信機
試作その2

01版 2022.05.12        

TOP  実験  アクセサリー 


 TS-520用VFOを改造した7MHz帯再生受信機 ( 試作2号機 ) です。

 


はじめに


TS-520 VFOを改造した7MHz再生式受信機 試作その1 (失敗編) 」では、TS-520 VFOを改造したダウンコンバート方式7MHz再生式受信機を試作して失敗しました。
今回は、前回の失敗から発振回路以外はできる限り改造しない構成とし、7MHzで直接再生検波を行うこととしました。


回路構成


VFO改造前後の構成を下図に示します。



 構成図(改造前後)

発振回路を再生検波回路へ改造し、以降の回路はBPF定数変更のみで周波数モニタ用出力として使用しています。


改造



7MHz帯への周波数変更および関連する以下の改造は、「TS-520VFO周波数改造その1 (改造編) 」を参照願います。
(1) RIT回路切り離し
(2) 出力フィルタ特性変更
(3) ダイヤル回転方向の変更
(4) 発振回路のコイル変更
(5) 発振回路のコンデンサ変更

再生検波回路への改造部分を含む全体回路図を下図に示します。



 回路図(改造箇所含む)

RF AMPは2SK241GRによる1段アンプです。
再生検波回路は前回の改造と同様です。但し、ドライバトランスは手持ちのST-21を使用しました。
AF AMPはLM386モジュール (中国製) です。
モニタ出力に6桁周波数カウンタモジュール (中国製) を接続しました。


使用感他


FT-101 VFOによる再生受信機前回試作と同様、スッキリした良い音で聞こえます。
再生検波による高域音は、可聴音の異常発振抑制のために追加したC202,C203により適度にカットされています。

感度不足は特に感じません。ビート音が聞こえなくなる受信レベルは約20dBμです。

前回試作で発生した回路間リークによる異常発振は今回も発生しますが、リーク量は前回と比べて格段に少ないようです。通常の受信動作範囲ではさほど支障ありません。前回の「試作その1」より再生調整が楽になりました。

再生調整用VRを廻す時のガリのような大きな音が気になります。

電源ON直後から周波数変動が無いと云って良いほど安定しています(実際には気付いていないだけだと思いますが)。流石メーカ製VFOだといつも感心しています。自分の実力ではこれほどまで安定したものは作れません。 (PLLやDDSの時代に我ながら時代錯誤も甚だしいですがhi)

発振強度が一定ではなく受信周波数を上げると発振レベルも上がります。受信感度の変動要因となるため、改善方法の検討が必要です。

周波数カウンタモジュール実装追加したところ、単一(?)可聴音が漏れます。モジュールへ渡す電源へCRフィルタを追加した結果、7MHz受信ノイズに埋もれて聞こえ無くなりましたが、さらなる強化が必要です。

YouTubeへUPしました。


おわりに


VFO発振回路を7MHz帯へ周波数変更するとともに再生検波回路へ改造し、AF増幅回路を追加した構成で試作してみました。
メーカー製VFOの改造版再生式受信機として最もシンプルな改造・構成となったのではないかと自負しています。

メーカー製VFOを改造して再生式受信機を作りたいと始めてからFT-101とTS-520のVFOどちらでも作ることができました。
今後、検波を外部で実現する等、自分で経験していない機能や回路の盛り込みを行いながら、正式版の製作を楽しみたいと思います。